小児歯科

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保護者の方の知識と関心が重要です

日々お子さんの診療をしていて実感していることは、子供の虫歯というものは、家庭環境に左右される度合いが大きいということです。大人でも奥歯をしっかり磨けている方は少ないほどで、小学校の中学年ぐらいまでは、歯ブラシを器用に使うのは難しいものです。そこで重要になってくるのは保護者の方による仕上げ磨きです。おやつの時間が曖昧でダラダラとお菓子を食べていたり、甘いものを食べる量が多かったり、水やお茶ではなくジュースばかりを飲んでいたりという生活では当然虫歯ができる確立が高まりますが、同じ生活をしていても保護者の方がしっかりと仕上げ磨きをして、定期的にフッ素を塗りに歯科医院に足を運んでいれば、虫歯の数はぐっと少なくなります。お子さんの健康な歯を守るためには、保護者の正しい知識と、子供の歯に対してどれだけ興味を持つかが重要な鍵になります。

定期的なフッ素塗布で健康な歯に

当院ではお子さんへの3か月に1回のフッ素塗布を無料で行っています。使用しているフッ素は通常の歯磨き粉の10倍ほどの濃度であり、高濃度のフッ素を定期的に塗布することは、健康な歯を維持する上で非常に有効です。毎日そのような高い濃度のフッ素を塗ってしまうと、フッ素過剰摂取で逆効果になりますが、3か月に1度程度のスパンで来院してフッ素を塗布することで、歯質の強化に高い効果が期待できます。費用の負担もありませんので、ぜひお子さんの歯のために習慣づけていただければと思います。

治療を嫌がるお子さんへの工夫

当院では、嫌がるお子さんに無理に治療をするようなことは決してせず、時間をかけて慣れていっていただいておりますが、保護者の方としては前向きに治療を受けてほしいと願うものです。幼稚園や保育園で実施される歯科検診では、周りの子も受けているからという集団意識が働いて、泣く子はほとんどいません。例えばご兄弟がいるご家族であれば、最初に上のお子さんが治療を受けている姿を横で下のお子さんに見てもらうことで、「お兄ちゃんがやっているなら僕にもできそう」という気持ちを引き出します。また、待合室に同じぐらいの年齢の子がいると「僕も頑張ろう」という気持ちが生まれます。そして、お子さんの頑張るきっかけとして「頑張れば嬉しいことが待っている」という気持ちを持ってもらうことも大切です。治療の際にも「これができたらボールの遊び場に行こうね」といった声がけでスムーズに処置が進むこともあります。褒められることやご褒美がもらえることは、お子さんにとっての自信や喜びにつながります。当院では治療を受けたご褒美として最後に小さなおもちゃや消しゴムなどをプレゼントしており、歯科医院へ「また来たい」と思える仕組みを整えています。

仕上げ磨きを嫌がるお子さんには

仕上げ磨きを断固として嫌がるお子さんは多いものです。「こんなに嫌がっているのに無理やり仕上げ磨きをする必要があるのかしら」と悩む保護者の方もいらっしゃると思います。しかし乳歯が虫歯になってしまうと、永久歯の歯列不正や虫歯を招くなど、さまざまな悪い影響が考えられます。お子さんの本当の幸せを考えるなら、たとえ泣き叫んで拒否していたとしても、仕上げ磨きはしっかりと行わなくてはいけません。最初は多少押さえるような形であっても、続けていくうちにだんだん慣れてきますので、根気よくくり返すことがお子さんのために必要です。歯科医院での治療と同じくご自宅でも、苦手なことを頑張ったお子さんには大げさなぐらいに褒め、時々ささやかなご褒美を用意してあげることもやる気を引き出すためには有効です。

子供の虫歯を放置するリスク

乳歯の虫歯を治療せずにそのままにしているとさまざまな悪影響が生じます。まずは当然ながら腫れて痛みが出てくることと、前歯に黒く穴があいて見た目が気になるなど、審美障害が出てくることが挙げられます。また乳歯の大きな特徴として、乳歯の下には、いずれ生えてくる大人の歯である後継永久歯が控えていますが、乳歯の頃に虫歯菌があまりにも増えた状態のままにしておくと、生えてきた永久歯の表面が変色したり、形が悪くなったりするリスクが出てきます。さらに、乳歯にはそれぞれおおよその使用する期間が決まっており、それに合わせて永久歯が出てくるようになっていますが、ひどい虫歯のために本来自然に抜ける時期よりも早期に乳歯を抜歯してしまうと、歯並びの乱れを引き起こします。「いずれ抜けるから」と考えずに、乳歯だからこそしっかりと検診と治療を行うことが大切です。

かかりつけの歯科医院を持つことのメリット

大人の方だけでなく、お子さんにとってもかかりつけ医の存在は重要です。定期的に通う歯科医院を持つお子さんは、虫歯の早期発見と治療が可能なだけでなく、数か月おきにフッ素を塗布したり、上手な歯磨きの方法を教わったりと、お口の健康に必要な処置を受けることができます。生え替わりに従って歯並びに不正が出てきた場合も、歯科医師が保護者の方よりも早く気づいて早めの対処をすることができます。逆にかかりつけの医院がないお子さんは、重症化するまで虫歯に気付かないケースや、多数の虫歯ができてしまうケースが見られ、歯肉炎の罹患率もぐっと上がります。かかりつけ医の存在は、お子さんのお口の健康にとって頼もしい味方となります。

歯についての年齢別のアドバイス

0歳~3歳

この頃のお子さんはまだ噛み合わせが確立されておらず、顎の位置も定まっていません。子供は面白い顔をして周りを笑わせるのが好きなものですが、下顎を必要以上に前に出したりするようなことを繰り返していると、反対咬合(下の歯が上の歯より前に出ている受け口の形)の原因になることがあるので、気をつけて見ておく必要があります。

3歳~6歳

おおよそ3歳で乳歯の噛み合わせが確立し、5歳ぐらいまではその噛み合わせが基本となります。小学校に入学する前後には6歳臼歯が生えてきて、生え替わりがスタートします。生えたばかりの永久歯は最も虫歯にかかりやすいので、そのための備えをこの時期に済ませておくことが大切です。きちっとしたブラッシングやフッ素塗布、仕上げ磨きの習慣をつけておくことと、歯医者に慣れておいて、虫歯ができたら口を開けて治療ができるようにトレーニングしておくことで、安心して次のステージに上がることができます。また、自我が芽生えてくる年頃で、保護者の方が見ていないところで甘いものを口にする食習慣もついてくるので、お口のケアの重要度も増してきます。

6歳~12歳

生え替わりがダイナミックに進む時期です。この年頃のお子さんを持つ保護者の方から非常に多く寄せられるのが「生え替わりがなかなか進まなくて心配です」という声です。レントゲン写真で乳歯の下に永久歯が映っていれば、ほとんどのケースで問題なく生え替わります。身長などの成長の度合いと生え替わりとは関係が深く、生え変わりが早いお子さんはクラスでも背が高い方で、成長曲線の上でも早熟な傾向があります。レントゲンを撮影して生え替わりの状況を確認することで、体全体の成長がゆっくりなタイプか人より早いタイプかということも見極められ、冷静に生え替わりに関して見ていける指標になります。お子さんのお口の中の状態と、どのぐらいまで成長が進んでいるか、標準の生え替わりと比べて早いか遅いかということを丁寧にご説明しますので、不安をお持ちの方はお気軽にご相談ください。

怪我をした時の応急処置について

歯の怪我で来院されるお子さんも多くいらっしゃいます。大切なのは、自分で判断せずにできる限り早く歯科医院に来ていただくことです。怪我で歯が抜けた場合は、牛乳につけて持ってきていただくと歯を戻す治療(再植)ができる場合があります。牛乳がない時には飲み込まないように頬の横の部分に歯を入れてお持ちください。また、歯をぶつけて位置が移動してしまったとしても、その日のうちに整復して固定すれば元通りになる可能性がありますが、そのまま放置してしまうと噛み合わせが不正な位置に変わったままついてしまうことも考えられます。怪我をした時には直ちにご来院いただければ、レントゲンで現状を確認し、最善の処置を施します。